2005-10-31

初めての加持

おばあちゃんは、何回も大病したなー

股関節骨折、膵臓炎、腹膜炎、再生不良性貧血、心筋梗塞

結局、病気では死なず、老衰で亡くなった

僕が加持をしたのは、おばあちゃんが初めてだった
大学生の頃で、高野山大学の図書館で、加持の次第(拝み方を書いたメモのような物)をいろいろ調べて、伽藍の、あるお堂の前で拝んだ

織田隆弘阿闍梨の本などを参考に拝んだ
加行する前だったので、まったくの自己流だね

印を組んで、真言を唱えながら、目の前のお堂の本尊と自分とおばあちゃんが一体と観ずる
書いたらこうなるけど、心の中に本尊さんが入って、その本尊さんになって、おばあちゃんに入る、って説明したほうがわかりにくいなー

まあ、そんな気分で真言を唱え続ける

いろんな坊さんの話を聞くが、最初は家族を加持したってのが多い
破れかぶれというか、必死だった
毎日、大学の授業が終わってから伽藍に通った

最初に拝んだ時は膵臓炎だった
どうも癌ではないかという
明日、精密検査するという

拝んでいる時、背中の左腰のあたりが痛くなった
と同時に、後頭部の右だったか左だったか忘れたが、頭が痛くなった
拝んでいるうちに痛みは消えた

織田隆弘阿闍梨の本にも、病気の場所と頭が痛くなるって話が書いてあって、効いたんかな、と思った

膵臓の検査をしたら、病気は治っていた
お医者さんは、不思議だ、不思議だと言っていたらしい
そりゃそうだろ、あんだけ拝んだんだから

あばあちゃんには、病気になる業があったんだろうと思う
治っては大病し、治っては大病した

加持祈祷をやってる坊さんが、次々と信者さんを拝んでいくようなことをするけど
「うそだろー」と思うよ
一人拝むんでも、どんだけ大変か
やればわかるよ
次から次へ拝むなんて、出来るわけないと思うけどなー
いや、できる人がいたら、ごめんね


腹膜炎では腸を出して洗った
高齢で命の保証はないと言われたが、なんとかなった

再生不良性貧血はだいぶ長く入院したが、結局、治って退院した

心筋梗塞は、買い物に行っているとき苦しくなり、救急車で運ばれた
いった先がよかった。心臓の専門病院に運んでくれた

僕が病院に駆けつけてからでも、三回ほど心停止して、目の前で電気ショックをバーンとかけて蘇生した

極めて危険な状態ということで、ストレッチャーに乗せられて手術室に運ばれた

僕は誰もいない病室で、数珠を出して繰りながら加持した
看護婦さんが、家族の待つ控え室にどうぞ、と言ってくれたけれど、静かなところで拝みたかったので無視した

拝んでいるとき、心臓が氷でも当てられたようにスーと冷たくなった
処置もうまくいったらしい
心臓の4分の3が死んでしまったらしいが、それから容態は持ち直した

峠は越したということで自宅へ帰った

そしたら、夜、布団でうつらうつらしてると、部屋の戸がスーっと開いて、おばあちゃんがのぞき込んでいる
「ありがとうよ」
そんなふうに挨拶したような気がした

てっきり死んだかと思いましたよ
で、電話した
元気だという

おどかすなよ
なんだったんだ

それからずっと入院して、最後は惚けたけど、病気では死ななかったなー


そういえば
学生時代、実家にいるはずの猫が、下宿先で寝ていた僕の枕元に座ってたことがある
死んだので挨拶にきたのか、と思って実家に電話した

死んではなかったが、けんかして片方の目が失明したという
猫ちゃんとしては、生死の境をさまよったんでしょう



♪病気の人を加持するのは、ほんとに大変よ 一瞬、因縁を受けるんだろうなー 数はこなせないとは思いますね♪ 

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