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仮名書法華経心経      八巻(附 般若心経 一巻)

紙本墨書 (法華経)縦16.7〜16.9
             横381.1〜643.2
      (般若心経)縦19.5 横52.3
江戸中期(18世紀)

 法華経八巻を巻数や品数などの一部分を除いて、すべて流麗な平仮名で書写したものである。このような仮名書法華経は、10世紀頃から始まるとされているが、完本の形で残っているものは少ない。本品は、のちに訓読しやすいように、朱点で文章を区切っている。跋語は存在しないが、箱の表書によると、大恵院(徳川宗直)の霊前に奉納されたものと思われる。なお、表装は明治18年に後補されたものである。また、付属の般若心経一巻は仮名書きではなく、料紙も全く異なることから、これも後補された可能性が強い。


和歌山県立博物館「長保寺の仏画と経典」より